THAT'S 法政二!

高校授業紹介1 -高1生物基礎-

高等学校
THAT'S 法政二!

  現代社会においては答えが1つではない複雑な課題を、他者と協力しながら解決していく能力が不可欠になりま す。 このような社会を見据え 法政大学第二中・高等学校では 、 全教科にわたる幅広い教養を身に着 けつつ、さらに、 知識を獲得するにとどまらず 、知識を用いて「自ら論理的に思考し、他者に表現することができる力」の育成を目指しています。具体的にどんな授業が行われているのか、今回は高校1年生における生物基礎のある日の授業を見てみましょう。

Q.今日の生物基礎の授業では、どんなことに取り組んでいますか?

 今日の生物基礎では、自分で採取してきた地表性生物(地表にいる生きもの)の体の構造について観察して、スケッチをするという実験を行っています。

 生物基礎では、年間で何回も自分の手でスケッチを行う機会を設けています。スケッチは美術におけるデッサンとは異なり、実物をありのままに描かなければならず、そのためのルールも詳細に決まっています。生物基礎ではこのルールを学びながらスケッチを描いていきますが、毎年多くの力作が作られます。

Q.生物基礎では、このような取り組みをもとにして、どのような力を身に着けてほしいですか?

 今日の実験では、1人1台の顕微鏡を使いながら自分で採ってきた地表性生物の観察をしています。地表性生物を採取する実験は20年以上の伝統がある実験で、例年高校1年生が取り組んでいます。この実験のポイントは、自宅や自宅の周囲で地表性生物を採ってくることにより、採れた生物から環境の善し悪しが分かるところです。本校の理科では「環境」についてみなさんが考えることをとても大事にしています。生徒のみなさんには単純に採取できた生物を観察するだけではなく、「この生物が採取できたということは、この地域の環境はこのような環境のはずだ」と背後にある環境にまで思いを馳せるようになってほしいです。

 また、法政二高の生物科では「自分の手でスケッチを描くこと」も重要視しています。近年、携帯電話のカメラなど手軽なカメラが普及しているので、生徒のみなさんの中には「どうして写真じゃいけないの?」と疑問をもつ人もいるかもしれません。写真と違うスケッチの良いところは「自分の眼」で、「1つ1つの構造」をしっかりと観察しなければ描くことができないということです。確かに写真は一瞬で撮影することができ、記録としてとても便利です。しかし、中学生や高校生のうちに、生物の体を顕微鏡を使ってじっくりと見て、自分の手でその構造についてスケッチを残すという体験は、生きものの体のしくみについての理解を確実に深めてくれると思います。

 今回の実験だけではなく、本校では中高併せて8つの理科室があり、それぞれの理科室に設置されている専門的な設備を利用してさまざまな実験が行われています。6年間、あるいは3年間で行ってきた実験をもとにしながら、どのような進路に進むにしても、「科学的」に物事を見る力を身につけてほしいと思います。

 いかがでしたか?法政大学第二中・高等学校ではこのほかにも様々な工夫がこらされた授業が行われています。今後もいろいろな授業について紹介していきたいと思います。
※授業における取組の内容については、年度によって変わることがあります。