文学部 史学・哲学科クラス
今年度の文学部は、史学科・哲学科を合同にした形式で,取り組みを進めていきます。そのなかで,「大学での学び」とは何かを考え,法政大学文学部史学科のテーマである「歴史を多角的に研究し,自分のルーツや21世紀を考える」こと,哲学科のテーマである「「人間・社会・世界の近未来を問いかけ、躍動的に知を学ぶ」ことに繋げていきます。
そのため,三学期の取り組みは,「加速度的に国際化・情報化が拡大し,複雑化する現代社会において,「人間」と「文化」の本質を様々な角度から探求する人材」を育成するための準備期間と位置付け,史学科・哲学科の理論や方法を考えることを目標とします。
従って,授業では,特講を設定し,「大学での学び」,高校までの授業とは異なる授業を体験していきます。加えて,史料読解,論文購読,視聴覚資料の利用,講師を招いての講演会,FWなどを予定しています。
2025年度 文学部 史学・哲学科クラスの取り組み
取り組み その1
3学期の取り組みが本格的に始まりました。史学科・哲学科の生徒は,特講として,授業時間をこれまでの「50分・10分休憩」ではなく,「100分・20分休憩」に変更し,カントの「啓蒙とは何か」などに取り組んでいます。また,戦後80年の節目を迎えるにあたり,映像資料として,「火垂るの墓」からは,戦争孤児の兄弟が生きた姿から「戦争とは何か」を考え,「日本のいちばん長い日」からは,「1945年8月15日,終戦―。その前夜,日本で何が起こったのか。」(松竹株式会社・日本のいちばん長い日)を考える契機となってくれればと思います。以下,映像資料になります。
・STUDIO GHIBLI/スタジオジブリ「火垂るの墓」(1988年)
(野坂昭如『アメリカひじき・火垂るの墓』新潮社,1972年)
・松竹株式会社「日本のいちばん長い日」(2015年)
(半藤一利『日本のいちばん長い日』」文藝春秋,2006年)
さらに,講師や卒業生をお招きして,講演会を行いました。濱口裕介さんの講演会では,蝦夷地・北海道を中心に,日本北辺史を学び,鈴木勇一郎さんの講演会では,川崎大師と京急大師線の関係を学び,水嶋桜菜さんの講演会では,大学生としての過ごし方などを,それぞれ学びました。以下,講師・卒業生を紹介します(敬称略)。
・濱口裕介(東洋大学人間科学総合研究所客員研究員・「千島国」通史研究会共同代表)
・鈴木勇一郎(川崎市民ミュージアム)
・水嶋桜菜(法政大学文学部哲学科)
そして,FWとして,鎌倉は,源頼朝より前の鎌倉を,国立歴史民俗博物館は,博物館以外として佐倉城址公園内連隊遺構を,法政大学発祥の地は,「東京法学社」を開校した時代の駿河台のあり方について考え,神保町は,「欧風カレーBondy」でカレーを食べ,古本屋巡りをしました。FWでは,講師の大庭乾一・伊丹聡一朗・貴田航さんに,お世話になりました。改めて感謝申し上げます。
・鎌倉(神奈川県鎌倉市小町一丁目)
・国立歴史民俗博物館(千葉県佐倉市城内町117)
・法政大学発祥の地(東京都千代田区神田駿河台1丁目8番地),神保町(東京都千代田区神田神保町2丁目)
なお,付属校事前オリエンテーションが市ヶ谷キャンパスで行われ,法政大学中学高等学校・法政大学国際高等学校の生徒と交流をしてきました。以下,オリエンテーションを担当してくれた大学教員になります(敬称略)。
・齋藤勝(法政大学文学部史学科)
・中釜浩一(法政大学文学部哲学科)
最後に,生徒は,プレゼンテーション大会(2026年2月18日(水)実施)に向けての準備にも取り組んでいます。
次回は,プレゼンテーション大会に向けての様子などを紹介します。










取り組み その2
今回は,プレゼンテーション大会(2026年2月18日(水)9持00分~16持00分)について,紹介します。
生徒は「書評」という形で,自分が気になる新書を一冊選び,「批判」することを目標としています。
「批判」するためには,一冊をしっかり読むことから始まります。AI活用の問題点が指摘されるなか,じっくり本を読むことの大切さを理解し,考えることをしてほしいと言えます。哲学者・思想家であるハンナ・アーレントの「考えるのを止めたら,人間じゃなくなる」という言葉を忘れないでほしいと思います。以下,生徒が書評のために選んだ文献になります。
・布留川正博『奴隷船の世界史』岩波書店,2019年
・池上俊一『魔女狩りのヨーロッパ史』岩波書店,2024年
・貴志俊彦『帝国日本のプロパガンダ』中央公論社,2022年
・渡辺照宏『日本の仏教』岩波書店,1958年
・阿満利麿『日本人はなぜ無宗教なのか』筑摩書房,1996年
・酒井啓子『9.11後の現代史』講談社,2018年
・姫岡とし子『ジェンダー史10講』岩波書店,2024年
・唐沢かおり『「気が利く』とはどういうことかー対人関係の心理学』筑摩書房,2025年
・川北省吾『なぜ「力こそ正義」はよみがえったのか』講談社,2025年
・原武史『平成の終焉』岩波書店,2019年
・石井寛治『日本の産業革命』講談社,2012年
・鷲田清一『哲学の使い方』岩波書店,2014年
・難波優輝『物語化批判の哲学〈わたしの人生〉を遊びなおすために』講談社,2025年
・内山節『日本人はなぜキツネに騙されなくなったのか』講談社,2007年
・竹下節子『疫病の精神史ーユダヤ・キリスト教の穢れと救い』筑摩書房,2021年
・高木光太郎『証言の心理学』中央公論社,2006年
また,卒業生による講演会も実施しました。土橋楓(法政大学文学部史学科)・小村翔(法政大学文学部史学科)・廣木駿(法政大学文学部史学科)さん,ご多用の所,お越しいただき,大学4年間についてお話いただき,ありがとうございます。
次回は,プレゼンテーション大会について,報告します。

取り組み その3
2025年度のプレゼンテーション大会(大学教員参観)が,2026年2月18日(水)・19日(木)に実施されました。
法政大学文学部史学科から小倉淳一さん,法政大学文学部哲学科から内山真莉子さんが参観に来られました。ご多用のところ,お越しいただき,ありがとうございました。
生徒は,「普段とは異なる環境」での報告,質疑・応答を経験し,大学教員からは,これまで「解答が有る質問」ばかりで育ってきた生徒に対し,「解答が無い質問」をし,「何故,そのように考えるのか」など,「正解とは何か」を考えさせる質問がなされました。加えて,「史学」・「哲学」を学ぶ意義,大学で何を学びたいのか,など今後に繋がることも話していただきました。
また,プレゼンテーション大会(全体発表)には,「【書評】池上俊一『魔女狩りのヨーロッパ史』岩波書店,2024年」が選出されました。 全体発表に向けて頑張って欲しいと思います。
これまで,高校3年3学期,文学部史学科・哲学科の取り組みは以上となります。







