高校3年3学期

国際文化学部クラス(GIS)

高校3年3学期
テーマ: 「自己理解・他者理解・多様性」

インターネットやSNSの発達により、我々は容易く情報にダイレクトにアクセスすることができるようになりました。ただ、多様な情報に幅広く触れているかというと実際はそうではありません。インターネットはユーザー閲覧情報をもとに、各々に最適化されたコンテンツが表示されるようになっています。また、「同じ趣味・考えの人とつながることができる」のがSNSの特徴です。ですから広く情報にアクセスできるようになってきたのに、実はより狭い情報にしか触れていないという状況が生まれているのではないでしょうか。そのような状況下では、我々個々人の意見が「強化」され、他の考えや意見への寛容さが失われていきます。その結果、異なる意見の排除が始まり、断絶や不和を生む可能性が出てくるのです。

そのような現状に私たちがいることを認識しそこからの脱却を目指す第一歩として、3年3学期のテーマを「自己理解・他者理解・多様性」に設定しました。

具体的な取り組み内容としては、クラスのメンバーとのディスカッションを軸に、講演会や映画鑑賞、フィールドワークを行う予定です。

2022年度 国際文化学部クラスの取り組み

国際文化学部・GISでは、1月以降、教室での講義、グループに分かれてのディスカッション、フィールドワークを行いました。1月中、様々な取り組みを行い、その中で生徒たちが自分たちで興味を持ったトピックについて、調査・研究を行い、2月中旬のプレゼンテーション大会で、一つの形にまとめ、発表しました。

〔英文読解 講座〕
 現代社会が抱える様々な問題を扱った英語の文章に取り組みました。今まで読んだことのないような、色々な
トピックを英語で読みました。また、授業では大学入学後、毎日できる英語学習法として、英字新聞、NHK英語ラジオニュース、CNN10(学生向け英語ニュース番組)などを紹介しました。

〔ディスカッション〕
 「あなたのルーツを教えてください」安田菜津紀 著 を課題図書として読ませ、本の内容に関して、生徒た
ちにグループでディスカションをさせました。ディスカッションでは、自分たちで議論するトピックを考えさ
せ、どのように議論をすすめるのかも考えさせ、全て自分たちで行わせました。

〔太平洋日系移民史〕
 日本人の海外への移住の歴史を学習しました。主に、アメリカ、ブラジルへの移住の歴史を学習することを通して、日本人が現地でどのような生活を送ったのか、そして、その後、現地に定着した日系人についての理解も深めました。具体的には、日系ブラジル人移民に関するドラマや日系アメリカ人部隊(442連隊)に関するドキュメンタリー番組を視聴しました。
さらに、群馬県大泉町の例を通して、1990年代の日系ブラジル人の日本への出稼ぎ、移住についても学習しました。

〔外国映画鑑賞〕
 普段、自分たちでは見る機会のない外国映画を選び、鑑賞会を開きました。映画を見た上で、感想を書かせ、それに基づいて、グループでディスカッションを行いました。
  鑑賞した映画:「少女は自転車に乗って」(サウジアラビア)「山の教室」(ブータン) 等

〔フィールドワーク〕
 ・JICA横浜 訪問
   青年海外協力隊(ブラジル、ボリビア派遣)の方々3名 講演会
   海外移住資料館見学

 ・川崎ふれあい館 訪問
   館長 崔 江以子 講演会

 ・群馬県 大泉町 訪問
   大泉町観光協会主催 ツアーに参加
    現地ブラジル人学校生徒との交流
    大泉町行政に長年携わる社会保険労務士の方による講話
    ブラジル・ペルー料理レストランで昼食
    ブラジルスーパーでお買い物体験

 〔講演会〕
   法政二高OB 国際文化学部 現役学生 講演会
   法政二高OB 国際文化学部 卒業生 美濃口海斗さん 講演会
   元電通、元Human Rights Watch 勤務 趙正美さん 講演会
   スウェーデン在住 エッセイスト、翻訳家、日本語教師 久山葉子さん 講演会