高校3年3学期

キャリアデザイン学部クラス

高校3年3学期

3学期キャリアデザイン学部クラスの取り組みは、法政大学キャリアデザイン学部の3領域(①発達・教育キャリア領域、②ビジネスキャリア領域、③ライフキャリア領域)をもとに、自分自身の問題意識にそって「社会課題」を発見し、自ら「問い」をたて、現状を分析し、課題解決にむけて提言していきます。

班活動や講演会、プレゼンテーション、論文作成などを通して、自分を見つめる(自己との対話)こと、社会に向き合うことを意識するとともに、以下の「3つの軸」を追究することを目指しています。
① 生きる「軸」を考える ~キャリアデザイン学へ~
② これからの社会での「自分の生き方」を考える ~キャリアデザインの視点から自己との対話
③ 「人」の支援を考える ~問題意識を磨き、自分の視点からアプローチ~

2023年度 キャリアデザイン学部クラスの取り組み

取り組み その1

キャリアデザイン学部クラスでの活動がいよいよ始まりました。各班で研究テーマを設定し,テーマの現状認識,問題点を整理しながら,班,個人としての「主張」を論ずることができるよう討議を進めています。

119日,キャリアデザイン学部生4年で本校卒業生の関さん,中野さんから大学生活一般についての講演,アドバイスをいただきました。「キャリア」をどのように捉えるのか,学部についての説明だけでなく,大学生活をどのように過ごすのか,どのような大学生になってほしいかなど,多岐に渡るお話を卒業生からお話いただきました。生徒たちも卒業生の話をとても興味深くきいており,積極的に交流をはかることができました。

124日,「向ヶ丘遊園跡地保全運動と生田緑地」をテーマに,「向ヶ丘遊園の緑を守り,市民憩いの場を求める会(通称・遊園の会)」の方々の案内のもと,生田緑地内を歩きました。他学部合同の取り組みですが,このクラスでは,遊園の会という市民団体の活動から,人と社会の関わり方,まちづくりを通した地域と企業・役所との連携によってよりよい地域社会をどのように形成していくのかについて考えました。

まず遊園の会の松岡嘉代子さんによる講義を受講しました。自由時間では多くの人が枡形山展望台を訪れ,その眺望に声をあげていました。向ヶ丘遊園跡地をめぐる踏査では,けもの道の中を歩く場面もありましたが,天気にも恵まれ緑地散策を満喫することができました。生徒たちはどのように感じたのでしょうか。感想文を待ちたいと思います。

126日は,本校卒業生の大谷海渡さんに講演をお願いしました。1年次に大谷さんの進路講演会を聞いている生徒たちですが,その頃とは違い新たな職場でチャレンジされていること,現在の職場環境をとおして「働く」ということはどのようなことかなど,多くのことをお話していただきました。生徒たちの心に残ったことは,「何もやらなくて不安になってどうする。実行して選択肢を与えられたときに考えればいい」ということだったようです。大学卒業後の進路に対する漠然とした不安や転職に対する意識を大きく変え,とても刺激をうけた講演会でした。

取り組み その2

2月9日(金)は、数学芸人のタカタ先生をお呼びして、「好きなことを仕事にする」というテーマで講演していただきました。お笑い芸人と数学教師との二刀流ということもあって、笑いありの楽しい講演でした。タカタ先生は、「数学がのろけるほど好き」だとおっしゃっており、数学を教えることとお笑いという「2つの好きなこと」を仕事にする二刀流は、「足し算ではなくかけ算になる」と話していました。  
生徒たちは積極的に質問をしたり、話のメモをとっていました。また、生徒たちへのメッセージとして、「好きな物を継続すればブロンドの輝きになる。ゴールドではなくてもいい。でもそれだけではやっていけない場合や好きなものが1つだとは限らない。ブロンドの輝きを放つものをたくさん増やすことが大事。そして、複数のブロンドの輝きをブレンドすると、オリジナルのブランドになる!」とおっしゃっていました。感想文をみると、このメッセージは生徒たちにも強く響いたようです。タカタ先生の生き方が、生徒たちの今後のキャリアデザインに刺激を与えることになるよう願っています。

2月15日(木)は、鎌倉フィールドワークを実施しました。事前学習では、観光地・鎌倉のオーバーツーリズムの問題とその対策について映像や新聞を見ながら学習しました。それをふまえ、観光環境を整えつつも住民にとっても住みやすい環境づくりをするためには、どのようなまちづくりをすべきなのか、という観点から鎌倉を歩きました。
フィールドワークでは、八幡宮、切り通し、寺院・神社仏閣、やぐらを通るルートを生徒たちで考え、各班でコース設定してもらいました。当日は良い天気に恵まれ、歴史と共生するまちとして鎌倉を捉えることができました。

3学期の取り組みの一つの到達点として、2月21日にプレゼンテーション大会が開催されます。1月から班を組み、興味関心のあるテーマを設定してきました。当日はフィールドワークなどの研究調査を通して考えた問題点と解決法を各班20分程度発表します。発表テーマは以下の通りです。
1班:小学生の運動能力低下の影響~小学生の運動能力を向上させるために~
2班:やさしい日本語~言語の視点から多文化共生を考える~
3班:二高の校則変えたい?~「自由と進歩」を踏まえ、二高の校則のあり方を考える~
4班:努力すれば報われる社会へ
5班:リーダーシップの取得と適正~リーダーに「なるべくしてなる」ために~
6班:川崎から考える地域活性化のあり方
7班:育児と仕事の両立

取り組み その3

3学期の取り組みの一つの到達点として、2月21日にプレゼンテーション大会が実施されました。発表は、フィールドワークなど研究調査を通して議論し、問題点と解決法をスライドにまとめたもので、20分程度発表しました。
各班、それぞれ工夫をこらして、テーマの現状、問題点、解決策について分析・提案し、お互いに質問して議論しあうことができました。
当日は、法政大学から労働経済学を専門にされている梅崎修先生にお越しいただき、各班に向けて多くのアドバイスをいただきました。6週間という短い取り組みでしたが、梅崎先生からアドバイスいただいた点は、きっと大学での学びに繋がるかと思います。

翌22日は、取り組みの振り返りをおこなうとともに、キャリアデザイン学部に在籍する1~3年生の本校卒業生たちに「大学生のリアルぶっちゃけます!」というテーマで大学の学び、生活、友人関係についてお話していただきました。そのあとグループになり、大学生がそれぞれの輪の中に入って生徒たちの質問に答えてもらいました。プレゼンを終えた生徒たちにとって、現役大学生のリアルな声はより身近に感じたことでしょう。大学生活を送るにあたって効果的なアプリの紹介をする際には、メモをとる生徒の姿も見られました。

キャリアデザイン学部に進学する生徒たちには、これまでの「出会い」と「学び」の経験を振り返ったうえで、4月からの新しい学生生活に邁進してほしいと思います。